解説記事が公開になりました@プラズマ・核融合学会

My new article of commentary is now opened on web freely distributed by The Japan Society of Plasma Science and Nuclear Fusion Research.

You can find that link in this bottom.

 

かねてよりプラズマ・核融合学会から依頼を受けていた解説記事(放射の反作用の解説)を漸く公開にまで持っていくことができました。いやはや、学会の雑誌に記事を載せるのってこんなに色々と手が加わるものなのですね。学会の編集担当様に脱帽です。

 

・ 主に有名な電磁気の教科書に載ってる話と自分の模型の話を書きましたが、たぶん日本語文献は2010年以降に書かれたものでどこかの大学の講義メモレベルを含めて10本もないと思います。ちゃんとした物で知ってるのは3つだけです。英語の記事は毎月5本くらい生産され続けていますが・・・

 

プラ核は立派で、基本的に月刊誌は

無料で!

公開されています。すばらしい!

 

(以下は頼まれた当初の草稿に書き込んでいたけれども結局消してしまった話題です。

プラズマ屋向けに特に価値がありそうな話をちらほらと。)

 

プラ核はよくこの話題を掲載する決断をなさったものだと感謝しています。初めて会う人に対してはプラズマ屋を気取ることにしているのですが、本当にやっていることをしゃべると皆の目が点になるんですよね。一応、高強度レーザーで作るプラズマ物理ってことで話の流れを作りましたが、一般性を保った式を書き連ねたので、暇つぶしに普通のプラズマのMHDにこの効果を取り込んでみたりすると論文が一つ書けるかもしれません。もちろん大昔の人も同じことは考えているので、ググればいくつか出てきます。

 

放射の反作用の日本語文献としては、パノフスキー・フィリップスの電磁気学の教科書がエントリーレベルとして完璧です。古典電子の光輻射の理論から相対論まで1つに纏まっており、Diracの1938年の論文をフォローしながら高強度場物理を目指すならこの本を読み込んでおいて損はありません。次点はランダウ・リフシッツの場の古典論。これは理論屋のバイブルの一つの有名な本で少し読み手を選びます。この2つ以外では日本語の本で戦えるレベルの記述の教科書はなく、実際に僕も2つともルーマニアに持ってきています。ジャクソンにも載っていますがパノフスキー・フィリップスがあれば文鎮以上の価値程度しかありません。英語なら別のタイトルがいくつかありますが、これらは定価が高かったり絶版して中古品にプレミアがつき過ぎてたりして手に入りにくかったりしますので、日本人なら日本語版のパノフスキー・フィリップス一択です。

ファインマンの教科書の電磁波の巻にもH.A.Lorentzの流儀の放射の反作用の話は載っているので教科書をお持ちの方はペラペラめくってみてください、電磁質量の章です。

 

そこまで精読してくれる人がいるか分かりませんが、スルメと同じで各章を突っつけば突っつくだけ味が出るような記事にしたつもりです。

 

興味がある方は以下よりPDFをダウンロードしてご一読ください。 

 

LINK:

瀬戸慧大、古典物理から量子場の世界へ:放射の反作用

Keita Seto, Radiation Reaction - from Classical Physics to Quantum Fields

J. Plasma Fusion Res. 93, No.1, 10 - 17 (2017).